第1シードの星城高等学校(以下「星城」)と第2シードの愛知工業大学名電高等学校(以下「名電」)による決勝戦は、2021年以来の顔合わせとなった。星城はエース柏﨑を擁する力強い攻撃を軸とし、名電はミドルブロッカーを絡めた立体的な攻撃を持ち味とする、対照的なチーム同士の対戦である。

第1セットは、序盤から星城が2本のサービスエースと3本のブロックポイントなどで優位に立ち大量リードに成功した。しかし名電は堀江と金田の攻撃を含む5連続得点で一気に同点に追いついた。その後再びリードを許した名電だったが、北川が連続でアタックを決めて20-20に追いついた。ここで福島がサービスエースを奪い、名電が終盤に逆転に成功。互いに競り合ったが、最後は名電・北川の2本のアタックポイントでセットを先取した。
第2セット、星城はスタートからセッターを永井に代えると、柏﨑に加えて横江の攻撃が機能し始め、一進一退の展開となった。中盤からサイドアウトの応酬で終盤に至ったが、星城・石田が相手のライト側の時間差攻撃を仕留めたブロックポイントが、セット奪還のキーポイントとなった。25点目にミドルブロッカー石田へ速攻を上げたセッター永井のトスワークも見事であった。

第3セット序盤、名電・堀江がブロックとサーブで得点を奪うと、渡邊にもサービスエースが出るなどサーブを起点に主導権を握った。中盤も北川・福島のブロックポイントなどで加点し、名電が18-9と大量リードを奪った。星城も柏﨑の強打とサーブで3点差まで追い上げたが、名電は終盤に、北川、堀江、福島、渡邊と、4人それぞれが硬軟織り交ぜた攻撃で得点を奪い、石田の強打で追いすがる星城を振り切った。
第4セットは、星城が4連続ミスというそれまでにない展開から始まった。名電・山崎が相手の速攻を1枚でブロックすると、早くも相手に2回目のタイムアウトを取らせた。中盤も3連続ブレイクなどで最大6点差まで広げた名電だったが、星城は竹内・横江の連続ブロックで追撃のスイッチ・オン。柏﨑の連続バックアタックと石田のブロックなどで1点差まで迫った。ここまでチームのアタックポイント(10点)はすべて柏﨑という潔い攻撃を展開した星城だったが、名電はその追従を許さず3連続得点でマッチポイントに達した。20-24と絶体絶命の場面から、星城は石田のサービスエース、竹内のブロックで連続ブレイクと意地を見せたが、最後は放ったサーブが無念にもコート外へ落ち、勝負が決した。
3年ぶり19回目の優勝を収めた名電だが、北川選手と北川監督、福島選手と福島コーチという、選手とベンチの親子二組で臨む全国大会にもなった。

試合結果は下記の通り。
▪️ 男子決勝
星城高校 1-3 愛工大名電高校
(23−25,25-23,19-25,22−25)

愛知工業大学名電高等学校出場メンバー
1 立石 和柊 3年
2 渡邉 敦揮 3年
3 堀江 武琉 3年
4 山崎 縁利 3年
5 片桐 大樹 3年
6 福島 諒 2年
7 金田 紺 2年
8 北川 祐真 2年
9 福谷 政宗 2年
10 問山 颯太朗 1年
11 中島 大揮 2年
12 柘植 尋斗 1年
13 植木 結生 2年
14 加藤 悠真 1年
監督 北川 祐介





